アバンギャルドな老監督、満員盛況の支援者試写会で舞台挨拶。
映画『オロ』製作に資金カンパしてくれた支援者を招待する試写会を、5月2日と11日になかのZERO視聴覚ホールで開催しました。アンケートからいくつかの感想をご紹介します。
「映画全体のなかに、オロのなかに、登場人物ひとりひとりに、歴史のなかに、“祈り”があること。それが力強さとなって、やさしさとなって、観る者に語りかけてくることに気づきました」(50代/女性)
「主人公のオロとチベットの人々、動物たち、自然まで、みんな大好きになりました。映像、音楽、絵と題字のすべてが美しくて、ドラマでもドキュメンタリーでもない、監督が登場したり、メイキング映像を使用する実験的な試みがとても効果的でした」(40代/男性)
「まあ、きれいなこと…。澄んだ空気のなかの風景の色がとてもきれいなことが第一印象でした。音もきれい。人工的ではない世界の日常が、もう別世界になってしまった私たちの暮らしに対して、“原点はここよ”と考えさせてくれた感じです」(30代/女性)
先日、某大手新聞社の取材のなかで「チラシには“おちゃめな少年とアバンギャルドな老監督”と書いてあるけど、ぼくは“アバンギャルドな少年とおちゃめな老監督”の方がおもしろいと思うんだけどね」と岩佐監督が記者に話しているのを小耳のはさみ、改めて根っからアバンギャルド体質な人、ちょっと説明的に言うと「あらかじめ存在する概念を疑い、ときには否定し、ときには破壊し、まっ白な状態の自分のなかから生まれるものを表現する」人なんだなと思った次第です。6月下旬公開に向けて、取材が多くなります。これから岩佐監督がどんな名言(迷言?)を残すか、楽しみです。